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「リスク展望2022」調査で事業継続の鍵となる死角を見つける

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2022年1月 - 世界中で働く従業員の健康と安全を支えるためのソリューションを全世界のクライアントに提供するインターナショナルSOS(日本法人本社:東京都港区 代表取締役 マーク・アタウェイ)は、2021年9月から10月にかけて実施したアンケート「リスク展望2022[注1]」で、「世界中の組織は従業員の健康への投資を増やすことになる」という調査結果が明らかになりました。

リスク展望2022のレポート(英語)と最新の リスクマップからも、複雑さを増すリスク状況に組織が取り組んでいることが読み取れます。75カ国の約1,000人のリスク管理者を対象としたこの調査に、ワークフォース・レジリエンス評議会の知見とインターナショナルSOS独自のデータを合せると、精神的および身体的健康へのサポートに対する投資が増加することがわかりました。実際、組織の半数以上(56%)が、両方への投資を増やす意向を示しています。

組織は、健康面において2つの課題に直面しています。1つ目は、COVID-19に対する安全性という身体面、2つ目は、パンデミックが大きな一因となっているメンタルヘルス面です。回答者の3分の1以上が、2022年にメンタルヘルスが原因で生産性が大幅に低下すると予想しています。

2022年には組織が直面するリスクが増大すると見込まれるため、投資拡大の必要性が生じています。3分の2以上(68%)の組織が、2022年のリスクは増加するまたは変わらないと予想しています。とりわけ出張を担当する意思決定者(69%)と海外勤務者(67%)は、2022年にリスクレベルが今年と同じかそれ以上になると予想しています。

2023年に従業員の生産性が低下すると予想される原因のトップ5
  • COVID-19
  • メンタルヘルス問題
  • 異常気象を含む自然災害
  • 交通機関に関する問題
  • 安全上の脅威と政情不安

インターナショナルSOSのグループメディカル・ディレクターであるNeil Nerwich医師は、次のように話します。「2022年、私たちは多層的な脅威の環境に直面しています。パンデミックから3年目を迎え、COVID-19やロックダウンの影響が引き続き大きな混乱要因となっている一方で、渡航の再開に伴って他のリスクも顕在化しています。多くの専門家が、2022年は「大退職時代」の年になると予測しており、組織は従業員に必要なサポートを提供するために行動しなければなりません。従業員の維持には、精神的および身体的健康の両方に投資することが不可欠です。これにより、生産性の問題の悪循環を避けることができます。多くの政府や医療制度が大きな負担を強いられている中、積極的に行動する組織が主導権を握ることができます。変化する職場環境の中で従業員をうまくサポートすることができれば、従業員のレジリエンス、忠誠心、生産性の向上につながります」。

多くの組織にとって、COVID-19は今後もオペレーション上の大きな課題となるでしょう。回答者の3分の1(33%)は、ウイルスに対処するための十分なリソースを確保することが2022年の最重要課題であると回答しています。驚くべきことに、アジアに拠点を置く組織ではこの回答が半数近く(47%)に達しました。このことから、COVID-19の影響を最初に受けた大陸では、今後しばらくの間混乱に対処する必要があると考えられます。

一方、西ヨーロッパと南北アメリカでは、COVID-19関連のポリシー、具体的にはCOVID-19の検査とワクチンに関するポリシーを定義する必要性に課題を感じる傾向がありました。世界平均が25%であるのに対し、西ヨーロッパ・南北アメリカの回答者の36%がこの問題を課題として挙げています。

これらの課題に対応するためには、現在進行しているCOVID-19の重大な影響をいかに管理するかを慎重に検討しなくてはなりません。組織は、人事やリスクマネジメントなどの機能に加えて、ビジネスリーダーの専門知識を活用する必要があります。

従業員の健康と安全を確保するうえでの課題 Pic_従業員の健康と安全を確保するうえでの課題.JPG

長年にわたるセキュリティ上の懸念が継続的なリスクに
パンデミックが懸念事項のトップに挙げられていますが、その他の恒常的なセキュリティリスクも2022年に混乱を引き起こすことが予想されます。

気候変動への懸念が高まる中、回答者の21%が、異常気象を含む自然災害が2022年に混乱要因になりうると予測しました。これに続いたのが、国内外渡航における移動に関する懸念(19%)、安全保障上の脅威やデモ・抗議活動(16%)でした。

2022年 組織の生産性が減少する原因となり得る主な要因 Pic_2022年 組織の生産性が減少する原因となり得る主な要因.JPG

インターナショナルSOS社のセキュリティサービス・グループディレクターである Mick Sharpは、次のように述べています。「2022年、組織は、犯罪、政情不安、テロリズムや、その他の地政学的問題などの長年にわたるセキュリティ上の懸念が、パンデミックによってなくなったわけではないことを認識しなければなりません。多くの場合、これらの懸念によるリスクは実際に増大しています。パンデミックによるロックダウン、ワクチンロールアウト、市民の自由の侵害などをめぐる緊張が、一部の地域で抗議活動や暴力を増大させています。世界中でワクチン接種の義務化や未接種者への制限が行われるようになると、2022年を通して緊張感が高まることが予想されます。COVID-19に関連するトリガー以外にも、自然災害、地政学、国内紛争、犯罪などが引き続き世界中の組織に影響を与えるでしょう。2022年には渡航再開が進むことや、国内従業員の安全配慮義務への関心が高まることによって、この影響はさらに大きくなります」。

「これに対応するためには、組織は組織内外における危機管理の死角を見極め、効果的な意思決定とレジリエンスの強化のために今すぐ行動しなければなりません。国内の従業員や渡航中の従業員に対して、客観的で先見性のある地域固有の医療・セキュリティ情報を確実に提供する必要があります。また、安全配慮義務を果たすための適切なプロセスを確保するために、規制の変化を常に把握しておくことも重要です」。

インターナショナルSOS が予測する2022年度におけるリスク展望トップ5
リスク展望の調査結果やワークフォース・レジリエンス評議会および当社の独自データをもとに、インターナショナルSOSが作成した来年の予測トップ5は以下の通りになりました。

  1. 2022年にはCOVID-19、COVID-19後遺症、メンタルヘルスが従業員の欠勤や退職に繋がり、従業員の生産性を低下させる主な要因となる。

  2. インフォデミックが従業員を守るうえでの複雑さを悪化させ続ける一方で、安全配慮義務は新たな健康・安全対策、従業員の期待、および法規制遵守によって再形成される。

  3. パンデミックによって中断された活動は、2023年までに一定の安定性を得る。これは、組織が健康とセキュリティのリスク管理を競争上の優位性として活用し、従業員の維持や、出張などの活動再開への意欲をサポートするためである。

  4. 市民の混乱や地政学的な不安定さがパンデミック以前のレベルを上回ることから、組織は急速に変化するセキュリティ環境に不意を突かれるリスクがある。

  5. 気候変動により、感染症、異常気象、社会経済的緊張など、気候に影響を受けやすい災害の頻度と影響が増幅する。

リスクマップ(英語)は、こちらからご覧いただけます。またこちらから埋め込みも可能です。

日本語版のリスクマップ(PDF版/デジタル版)をご希望のお客様は、こちらからお申込みください。 弊社担当者よりご案内させていただきます。

Ipsos MORIはインターナショナルSOSの委託を受け、77カ国の987名のリスク管理者を対象にオンライン調査を2021年9月21日から10月25日にかけて実施しました。インターナショナルSOSは、Ipsos MORIに顧客情報のサンプルを提供しました。

[注1] リスク展望の調査では、リスクの認識、メンタルヘルス、生産性への影響、運営上の課題など、従業員の健康および安全の確保における隔たりを明らかにしました。この調査はワークフォース・レジリエンス評議会の解釈および予測、インターナショナルSOSの広域かつ独自のデータ・分析によって補完されています。ワークフォース・レジリエンス評議会は健康、セキュリティ、および安全のすべての分野を代表する専門家によって構成されています。2021年の評議会は、国内外での就労リスクに関連のあるシンクタンク、協会、諮問会議、NGO、IGOが参加しています。