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エジプト騒乱

エジプト騒乱

エジプトの状況

エジプトの状況2011年1月から2月にかけて、エジプト全域で数千人の反体制派抗議者が政治変革とホスニ・ムバラク大統領の辞任を求め、街頭でデモを繰り広げました。デモとそれに伴う不安定な政情が、この地域のビジネス活動ならびに駐在員やビジネス渡航者に深刻な影響を及ぼしました。

民衆蜂起は概ね平和裏に行われましたが、当社はカイロやアレクサンドリアを始め、エジプト全域に在留する数百人の会員の皆様に最新情報や安全上のアドバイス、ならびに医療およびセキュリティ上の支援を提供しました。困難を伴わない危機はありません。エジプト危機も例外ではありませんでした。数日間におよぶ通信の途絶、陸路移動の大幅な規制、夜間外出禁止令の発令といった状況の中、会員の皆様が安全に避難するのは困難なことでした。

数字で見る支援実績

  • 避難した会員数:1,250人以上
  • 民間機で避難した会員数:420
  • 現地支援に弊社が派遣したセキュリティスペシャリストと医療スペシャリストチーム合計数:20

「貴社の支援のおかげでカイロから無事に脱出できました。
貴社の尽力を心より感謝いたします。」
——インターナショナル SOS 会員

時系列による顧客支援の記録

1月23日: 会員の皆様へ通常通りの情報を提供

エジプト全域の数都市で反体制派による抗議が予定されていたため、抗議に先立ち、通常の「デイリー・ダイジェスト」や「渡航アドバイス」を通して、会員の皆様に厳しい治安状況を予期しておくようアドバイスしました。セキュリティ・スペシャリストがチュニジアに在留する会員の皆様を支援していたため、既に専門家チームが中東・北アフリカ地域で活動していました。

1月25日: 治安情勢が緊迫化

一部の抗議が暴力化したことを受け、当社のグローバル・セキュリティ・チームはEメールアラートを配信し、 1月28日の「怒りの日」の反政府デモを前に、治安態勢がさらに強化されるという分析およびアドバイスを提供しました。

1月28日: 900 人以上の会員をトラッキング

トラベルトラッカーを使用することにより、900人以上の当社会員の皆様がエジプト滞在中または同国へ渡航予定であることが確認されました。ムバラク大統領が国内全域に夜間外出禁止令を発令し、軍を配備したため、スペシャル・アドバイザリーを配信しました。カイロのタハリール広場で抗議者と警察の新たな衝突が集中的に発生し、略奪や法を無視した行為の報告が相次ぎました。金曜礼拝後、ムバラク大統領の退陣を求めて、数万人の人々がカイロを始めとする各都市での抗議に参加しました。夕方までに在カイロの複数の大使館が閉鎖されたため、多数の外国人がどう対処したらよいかわからない状態に置かれました。

1月29日:ロンドンに危機管理対応チームを発足、緊急事態管理チームがカイロに到着

事態が悪化したことを受け、当社は会員の皆様に最初の避難通知を発出するとともに、ロンドンに危機管理対応チームを発足させ、同チームを強化するために集団避難の支援を行うチームを配置しました。緊急事態管理チームの最初のメンバーが現地入りし、当社と契約する既存のプロバイダの一つを介して、カイロ中心部に最初の作戦部隊を組織しました。フィラデルフィア、パリ、ドバイ、ロンドン、フランクフルトにおけるインターナショナル SOSアシスタンスセンターのオペレーション・チームが連携し、顧客の皆様からの支援要請の調整に当たりました。全てのアシスタンスセンターでエジプトの状況に関する電話が増加していました。アシスタンスセンターは会員の皆様からの電話で出国支援の要請を受けました。しかし、通信ネットワークの混乱により、調整は困難を極めました。インターネット、携帯電話、ショートメッセージ(SMS) による通信が4日間にわたり断続的に途切れていたのです。夜間外出禁止令の発令下にありながら、緊急事態管理チームは在カイロの既存プロバイダを通じ、会員の皆様が空港へ向かう前に集合する地点への交通手段を確保しました。

1月30日: 空路による避難の開始

夜間外出禁止令が発令されているにもかかわらず、カイロなど複数の都市で抗議や警察との衝突が続きました。ロンドンのアシスタンスセンター内に顧客対応グループが設置されました。緊急事態管理チームは、避難される方々の集合場所をカイロのフェアモント・ホテルに確保し、この場所から出国のために会員の皆様を空港までエスコートしました。フランクフルトとパリに向けて最初の2件の避難が実行されました。この便で合計287人が避難しました。さらに、ドバイに向けて39人の避難が行われました。この間に個人渡航者のビザの問題が生じましたが、個別に解決しました。インターナショナルSOSは目的地の全空港において医療従事者を含む受け入れチームを組織し、避難された方々を出迎え、宿泊施設や必要に応じてその後の渡航支援を提供しました。

現地に留まる会員の皆様のケア1月31日: 現地に留まる会員の皆様のケア

新内閣の発足が宣言されたため、より平和的に抗議が行われるようになりましたが、街頭には多数の治安部隊が配置された状態が続いていました。現地の医師を含む緊急事態管理チームがホテルで会員の皆様のケアを行うとともに、街頭での状況が混乱に陥る中、飲食物を確実に入手しました。会員の皆様がアレクサンドリアからの避難を要請し始めたことを受け、危機管理対応チームはリソースや要件の評価を行いました。会員の皆様の中には今回の危機により大きなストレスを受けた方もいました。インターナショナルSOSは、カイロで2人の方に対して医療上のアドバイスや支援を行いました。現地で医療上の支援を行う上では、コネクションや現地の情報網が極めて重要であることが示されました。

避難の継続2月1日: 避難の継続

空港は引き続き混雑および混乱しており、搭乗手続きに遅延が生じていました。そのような状況に加え、通信に障害が生じていましたが、当社はドバイとパリに向けてさらに2便の避難用フライトを手配しました。

2月2日: カイロで暴動が激化

騒乱が長期化していたタハリール広場周辺で激しい衝突が発生しました。一方で、アレクサンドリアでも騒乱が発生しました。現地に派遣されたコントロール・リスクスのコンサルタントの支援により、カイロを始めとするエジプト全域から会員の皆様を集め、避難集合地点まで無事にエスコートすることができました。エジプトに留まらなくてはならない方については、コントロール・リスクスが知識や支援、アドバイスを提供し、確実な輸送手段を手配するなど、現場でのセキュリティ上のニーズに対処しました。通信は引き続き途絶していましたが、当社は避難手配を続行しました。その夜、97人の避難者を乗せたフライトがパリへ向けて出発しました。

2月3日: アレクサンドリアからも避難を実施

アレクサンドリアでは親ムバラク派のデモが行われる一方で、抗議が続きました。緊急事態管理チームのメンバーは、会員の皆様と合流して安全な避難を確実に行うため、カイロからアレクサンドリアに移動しました。当社はアレクサンドリアからドバイへのフライトを手配しました。さらに、およそ114名の乗客、2匹の犬と1匹の猫を乗せた別のフライトもカイロからパリへと出発しました。現場でさらなる支援を提供するため、看護師がロンドンとドバイから医療機器を携えて現地入りしました。恐怖や苦痛を受けた会員やその家族の皆様に精神的な支援を行うことも看護師の重要な役割の一つでした。インターナショナルSOSとコントロール・リスクスは最新状況を提供するためにオンラインセミナーを実施し、422社の会員企業の皆様が参加しました。

2月5日: 医療支援の提供

医療チームは負傷した会員の皆様に支援を提供し、ロンドンの病院へ無事に搬送しました。不幸にも発作を起こした一人の会員の方は、傷病者輸送機で緊急搬送されました。

支援と援助を継続2月6日以降: 支援と援助を継続

ムバラク大統領が2月11日に辞任した後も、当社のチームは引き続き現地で会員の皆様の支援を行っています。情報が不足する中、コントロール・リスクスの政治的リスクおよびセキュリティリスクのアナリストが、スエズ運河航路に対する潜在的影響、エジプトにおける将来展望、民衆蜂起が同地域のビジネスにもたらす潜在的悪影響などの多様な問題について、顧客の皆様それぞれに個別に報告を行っています。今回の危機後も、インターナショナルSOSとコントロール・リスクスは引き続き事態を十分に観察し、顧客の皆様に戦略的アドバイスやエジプトへの再入国にあたってのセキュリティ上の支援を行っています。

社内の連携による対応

困難な状況ではありましたが、インターナショナルSOSとコントロール・リスクスはグローバル・ネットワークとアシスタンスセンターの緊密な連携を通して会員の皆様に支援を行ってまいりました。ロンドンの中央アビエーション・デスクが全ての空路避難支援を手配し、チャーター機や民間機の座席を確保しました。また、カイロのオペレーション・ルームは現地のリソースを管理しました。騒乱の期間を通じて、当社は会員の皆様の安全を支援するため、オンラインおよびEメールを通して解説やアドバイスを提供しました。

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